投資には様々な側面があり、それぞれの人にとっての意味は異なります。この記事では、投資をすることの意味と理由を深掘りし、なぜ多くの人がこの道を選ぶのかを明らかにします。投資の世界に足を踏み入れようとしている方、またはすでに投資を始めているが、その目的を再確認したい方にとって、この記事が新たな洞察を提供することを約束します。
「お金稼ぎ」以外の視点で投資を考える
投資とは、「投資とは何なのか?世界一わかりやすく解説します!」で、本来はより良い社会構築のために、企業が成長するための資金調達方法であることをお伝えしました。投資家視点で言えば、企業を応援しつつも、資産を増やすために資金を使う行為でもあります。現在、投資の手段はデリバティブ(金融派生商品)なども数多く増え、どちらかというと利己的な手法も多くなってきました。
投資をする意味は、一人一人、目的が違いますので運用手段、運用方法も変わってきます。この記事ではなぜ投資をした方が良いのか?投資をする意味ってなんなのか?について「お金が稼げる」という視点ではなく、別の角度から見ていこうと思います。
投資をした方が良い理由5選
①インフレに対する防御
現金をそのまま保有すると、インフレが進んだ場合、現金の実質的価値は減少します。
インフレについて簡単に解説します。
想像してみてください。ある日、あなたがお気に入りのアイスクリーム店に行きます。いつもは100円で買えるアイスクリームが、突然120円に値上がりしているとします。アイスクリームの量や種類は変わらないのに、なぜかより多くのお金が必要になっているのです。
これが「インフレ」と呼ばれる現象です。物の価値は変わらないのに、その物を買うために必要なお金の量が増えてしまうのです。インフレが起こると、同じ量のお金で以前より少ない商品やサービスしか買えなくなります。つまり、お金の価値が下がってしまうのです。
物価が高くなるという見方もできるけど100円の価値が下がったとも言えるよね。
確かに「物価が上がった」という人は多いけど、お金の価値が下がっているのね
そして資本主義社会では、物価上昇、すなわちインフレは一般的な現象です。多くの国々で、インフレ率の目標を年2%に設定しています。当然、必ず年2%の物価上昇が起きるわけではないですが、基本的には物価は上がっていきます。
ですので、このインフレに負けないように収入を増やさなければ、結果的に厳しい生活になってしまいます。
このインフレを、株式や債券、投資信託、不動産などの金融商品に資産を変換することで、資産価値の減少を防ぐことが可能です。投資をすることはインフレ対策にもなります。
ちなみにインデックスファンドの平均利回りは4%〜7%と言われていますので、インフレリスクを十分にカバーすることができます。
②超低金利時代の対応
現在の超低金利環境下では、銀行預金などでは資産価値が増えません。定期預金の利回り0.12%(参考:楽天銀行)では、10年間100万円を預けていても、利息は約12,000円にしかなりません。
12,000円は、毎月100円の貯金を10年間継続しても達成できるのですが、将来のために毎月100円の節約は考えても、100円貯金をしようと思う人はいないでしょう。当然、インフレがわかっていれば到底太刀打ちできないこともわかるでしょう。
誤解のないようにもう一度書いておきますが「将来のため」にですので、節約のために100円貯金とか500円貯金をしてある程度貯まったら、それで外食に行くとかは素晴らしいことだと思います。1円、10円でも支出を抑えることはとても大切なことです。
さて、日本郵便の定期預金が最も高い金利が提供された時代は1974年で、その時の金利は7.5%でした。1961年の時点での金利は5.0%であり、その後上昇して1974年に最高値を記録しました。
金利が7.5%ということは、『72の法則』で計算すると資産が倍になるまでに約9.6年になります。
だからその時代の人たちは、必死に働き貯金することで資産構築したのです。銀行は元本保証ですし、その上金利が7.5%もあったらそれは最高ですよね。
しかし、その後金利は上下を繰り返し、20世紀末には急落し、21世紀に入ってからはほぼゼロに近い状態になっています。2022年1月時点での金利は0.002%となっており、これは通常貯金の2倍ではあるものの、非常に低い水準です。
インフレが進むと安心安全な銀行に預けている資産価値も目減りしていきます。投資を通じてより高い利回りを目指すことは、このような環境下での資産保全や増加の手段となります。
銀行に預けていてもお金の価値が下がったら結果的に損よね?
そうなんだ。日本は超低金利だから何もしないことが良いとは限らないんだよ。
③税制優遇制度の活用
日本ではNISAやiDeCoなどの税制優遇制度が存在し、これらを活用することで投資利益に対する税負担を軽減することができます。
新NISA(ニーサ)
新NISAは、非課税で資産運用ができる小口投資非課税制度の一つです。2024年に開始された新しいNISAは、従来のNISAと比較して、投資額の枠組みや非課税期間などが変更されています。
- 非課税枠の変更:新NISAでは、毎年の投資枠が拡大され、より多くの資産を非課税で運用することが可能です。
- 投資期間:非課税での投資期間が延長され、長期的な資産運用を促進します。
- 対象商品:株式や投資信託など、さまざまな金融商品に投資できます。
- 税制優遇:投資による利益(配当金やキャピタルゲイン)が非課税となります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは、個人型確定拠出年金制度で、主に老後資金の準備を目的としています。
- 掛け金:加入者が自分で掛け金額を選択し、自分のペースで資産形成を行うことができます。
- 運用商品:投資信託や国債など、多様な運用商品から選ぶことができます。
- 受給開始年齢:原則60歳以降に受給開始が可能ですが、老後の生活資金として活用することができます。
- 税金の優遇:受け取り時には一定の課税がありますが、低い税率が適用されます。
- 税制優遇:毎月の掛け金が所得控除の対象となり、所得税や住民税の負担を軽減できます。また、運用益も非課税です。
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかるけどこれが非課税になるんだ。
非課税枠分は新NISAで投資すると利益が出たときに得するわね!
④老後の資産形成
公的年金の受給開始年齢が上がるなど、将来的には老後の生活費を自己資金で賄う必要が増してきています。投資を通じて資産を形成し、老後の生活資金を確保することが重要になっています。今後も少子高齢化が進んでいきますので、この状況はどんどん厳しくなることが予想されています。
賦課方式だと少子高齢化が進む日本はますます厳しくなるだろうね。
早い段階で老後に備える必要があるわね。とても他人事ではないわ。
⑤少額からの投資可能
投資には多額の資金が必要というイメージがありますが、実際には少額からでも始めることができます。例えば、NISAでは毎月少額から積み立てが可能で、投資初心者にも手軽に始められる制度が用意されています。
投資にまつわる誤解:誰もが投資家になれる
投資は富裕層だけのもの?
「投資はお金持ちの特権」という考えは、多くの人々を投資から遠ざけています。しかし、この考えは時代遅れです。現代では、小額投資が可能な商品が豊富にあります。
- 少額投資の機会:投資信託やETF(上場投資信託)は、数千円から投資可能です。これらは多様な資産に分散投資することができ、リスクを抑えながら市場の成長に参加できます。
- ロボアドバイザーの利用:小額から自動的に資産運用を行うロボアドバイザーも注目されています。これらは初心者にも理解しやすく、手軽に始められるため、投資初心者に最適です。
投資は難解?
「投資は複雑で理解しにくい」という誤解も、多くの人が投資を始めるのを躊躇させています。しかし、基本的な知識を身につければ、誰でも投資の世界に足を踏み入れることができます。
- 基本用語の理解:株式、債券、リスク、リターンなどの基本用語を理解することから始めましょう。これらの用語は、投資の判断をする上で不可欠です。
- 低コストで始める:初心者には、低コストで管理されたインデックスファンドがお勧めです。これらのファンドは、市場全体に追随し、高い管理費用やアクティブなトレーディングを必要としません。
- 教育資源の活用:セミナー、書籍など、投資に関する教育資源は豊富にあります。またYouTubeでも十分に基本的なことは学ぶことができます。これらを活用して、基本から学びましょう。
投資は、豊かな人だけのものでも、難解な科学でもありません。正しい知識と適切な資源を利用すれば、誰もが賢い投資家になることができます。小額から始めて、経験を積み資産を着実に成長させましょう。
まとめ:投資がもたらす具体的な価値とその影響
この記事を通じて、投資が個人の生活に与える具体的な影響についての理解を深めていただけたましたか?投資は単に資産を増やす手段以上のものです。それは私たちの生活の質を向上させ、将来への安心を提供する重要な要素です。
- 財務的自由への道:まず、投資は財務的自由に向けた旅です。長期的には、リタイアメントプランの充実、子どもの教育費用の確保、あるいは夢の家の購入など、具体的な目標達成に貢献します。
- 経済的な安定:投資を通じて築かれる資産は、突然の経済的な変動や緊急事態に対するバッファとなります。これにより、経済的な安定感が得られ、心理的な安心感も高まります。
- 教育と成長の機会:投資は、市場や経済の動きを学び、自己の金融リテラシーを高める絶好の機会です。この学びは、賢明な財務判断を下す力を養い、人生の他の面でも役立ちます。
最終的に、賢明な投資戦略は単に資産を増やすこと以上の価値をもたらします。それは、より安定した未来、経済的な自由、そしてより満足のいく生活への一歩となります。投資は、ただのお金稼ぎ、金融活動ではなく、より豊かな人生への投資です。