少子高齢化、年金問題、物価上昇、様々な理由で個々での資産形成の重要性に注目が集まっています。また来年からは新NISAがスタートする影響もあって、投資を始める方が増えてきています。投資の種類は複数ありますが、この記事では、投資信託の基本的な仕組みと魅力について解説します。
投資信託とは?
投資信託は、多くの投資家から資金を集め、その資金をプロのファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用し、得られた利益を投資家に還元する仕組みの金融商品です。投資信託の魅力は、少額から投資を始めることができ、運用はプロに任せるため、個人で複雑な投資判断をする必要がない点にあります。また、分散投資によりリスクを軽減できるほか、個人では投資しにくい海外市場や特定の資産にもアクセス可能です。
参照元:投資信託協会
巨額の資金を扱うファンドだからこそ投資できる商品もあるんだ。
投資信託の仕組み
投資信託の運用には、①販売会社、②委託会社(運用会社)、③受託会社(信託銀行)の3つの機関が関わります。販売会社は投資信託の募集や販売を行い、投資家から資金を集めます。委託会社はその資金をもとにファンドを組成し、運用の指図を行います。受託会社は委託会社の指図に基づき、資金を株式や債券などに投資し、資金の管理を行います。運用によって得られた収益は、販売会社を通じて投資家に分配金や基準価額の上乗せとして還元されます。
参照元:投資信託協会
投資信託の魅力
投資信託の主な魅力を以下にまとめました。
①プロによる運用
投資信託では、プロフェッショナルなファンドマネージャーが投資家から預かった資金を運用します。これらの専門家は、市場分析、資産選定、リスク管理といった複雑なプロセスを経て、最適な投資判断を行います。彼らは、経済の動向、政治的な変化、産業の発展といった幅広い要因を考慮に入れ、資金を適切な株式、債券、その他の金融商品に分散投資します。
プロによる運用のメリット
- 専門知識:ファンドマネージャーは、金融市場に関する深い知識と経験を持っています。彼らは市場のトレンドを読み解き、有望な投資機会を見極めることができます。
- 時間の節約:個人で市場を分析し、投資判断を下すには相当な時間と労力が必要です。プロに運用を任せることで、投資家はその時間を他の重要な活動に充てることができます。
- リスク管理:ファンドマネージャーは、ポートフォリオのバランスを常に監視し、必要に応じて調整を行います。これにより、個別の投資よりも安定したリターンを目指すことができ、リスクを抑えることが可能です。
- 多様な投資機会:プロによる運用を通じて、個人投資家が単独でアクセスすることが難しい市場や資産クラスにも投資することが可能になります。
②少額からの投資が可能
投資信託の大きな魅力の一つに、「少額からの投資が可能」という点があります。これは、特に投資初心者や小規模投資を望む人々にとって、非常に魅力的な特徴です。多くの投資信託では、数千円程度から投資を開始することができ、場合によっては100円から始められるファンドも存在します。この手軽さにより、大きな初期投資を必要とせずに、多様な金融市場や資産クラスへのアクセスが可能になります。
少額からの投資が可能であることのもう一つのメリットは、リスクの分散です。投資家は、限られた資金を用いて複数の投資信託に分散投資することができ、これにより一つの投資先のパフォーマンスが悪くても、他の投資先のパフォーマンスによって補うことが可能になります。また、市場の変動に応じて、少額ずつ追加投資を行うことも可能で、これにより平均購入コストを下げることができる場合もあります。
このように、投資信託は少額から始められるため、初心者でも気軽に投資の世界に足を踏み入れることができますし、経験豊富な投資家でも、新しい市場や資産クラスへの投資、あるいは既存のポートフォリオへの追加投資として利用することが可能です。この点が、投資信託が多くの投資家に選ばれる重要な理由の一つとなっています。
③グローバルな投資が可能
グローバル投資とは、単一の国や地域に限定されず、世界中の市場に投資を行うことを意味します。投資信託を通じて、投資家は米国、欧州、アジアなど、様々な地域の株式や債券にアクセスできます。これにより、地域的なリスクを分散し、世界中の成長機会を捉えることが可能になります。
グローバル投資のメリット
- 多様性の増加:グローバル投資により、ポートフォリオに多様性をもたらすことができます。これは、特定の地域や市場の下落時でも他の地域のパフォーマンスがカバーする可能性があるため、全体のリスクを低減します。
- 成長機会の拡大:特定の新興市場やセクターは、高い成長ポテンシャルを持っています。グローバルな投資を通じて、これらの高成長地域へのアクセスが可能になり、長期的なリターンの向上が期待できます。
- 通貨の多様化:異なる通貨で投資を行うことにより、通貨リスクの分散が可能です。一つの通貨の価値が下がっても、他の通貨の価値が上がることでバランスを取ることができます。
- 経済サイクルの違いを利用:世界各国の経済サイクルは必ずしも同期していません。一方の地域が低迷している時でも、他の地域が成長している可能性があります。このような差異を利用することで、安定した収益を目指すことができます。
グローバルな投資は、資産の成長とリスク管理の両方を目指す投資家にとって魅力的な選択肢です。投資信託を利用することで、個人投資家も容易に世界中の市場にアクセスし、その機会を活用することができます。ただし、国際投資には為替リスクや地政学的リスクなど、独特のリスクも伴います。
④注意点
投資信託には多くのメリットがありますが、投資対象や運用方針、手数料などが商品によって異なるため、投資前には目論見書や契約締結前交付書面などをよく読み、内容を十分に理解することが重要です。また、投資信託は元本が保証されている金融商品ではないため、投資元本を割り込むリスクがあることも理解しておく必要があります。
投資信託は、その手軽さとプロによる運用のメリットから、多くの投資家にとって魅力的な選択肢となっています。自分の投資目的やリスク許容度に合った投資信託を選び、賢く投資を始めましょう。
投資信託を始めるならネット証券を活用すべき5つの理由
投資信託を始めようと考えている方は、銀行の窓口だけでなく、ネット証券の利用も検討してみてはいかがでしょうか?ネット証券を利用することで得られる主なメリットを5つ紹介します。
1. コストの低さ
ネット証券の最大の魅力は、なんといってもその低コストです。特に「ノーロード型※購入時手数料がかからない投資信託」の投資信託が多く取り扱われており、購入手数料が無料の商品も豊富です。店頭取引と比較して手数料が低く設定されているため、長期的な運用で見るとその差は大きなアドバンテージとなります。どうしても店頭だと家賃、光熱費、人件費などの経費が掛かるため手数料が高い傾向にあります。
2. 積立頻度の選択肢
ネット証券では、毎月の積立に加えて、「毎週積立」や「毎日積立」といった選択肢がある場合もあります。これにより、より細かい頻度での資産形成が可能となり、市場の変動を活かした投資戦略を立てやすくなります。
3. 引き落とし方法の多様性
投資信託の購入資金の支払い方法として、銀行口座からの自動引き落としだけでなく、クレジットカードを使用した支払いを選べることもあります。この場合、クレジットカードのポイントが貯まるという追加のメリットも得られます。
4. サポート体制の充実
困ったときに相談できるサポート体制もネット証券の大きなメリットです。コールセンターやオンラインチャットを通じて、投資に関する疑問や問題を解決できます。特に、平日昼間に忙しい方でも、休日や夜間に対応しているサポート体制が整っている会社もあります。
5. 特典の有無
ネット証券では、キャッシュバックやポイント付与などの特典がついてくることがあります。これらの特典を活用することで、さらにお得に投資を始めることが可能です。
投資信託を購入する際には、これらのポイントを考慮して、自分にとって最適な選択をすることが大切です。ネット証券ならではのメリットを活かし、効率的な資産運用を目指しましょう。
投資信託が向いている人
投資信託が向いている人は、主に以下のような特徴を持つ方々です
- 資産運用初心者:投資信託はプロが運用を代行するため、投資に関する深い知識がなくても始めやすいです。初心者が投資の世界に足を踏み入れるには適しています。
- リスクを抑えたい方:分散投資を通じてリスクを低減できるのが投資信託の特徴です。地域や資産、時間を分散させることで、特定の市場や銘柄の変動リスクを下げることが可能です。
- 少額から始めたい方:投資信託は少額からの投資が可能で、100円から購入できるファンドもあります。大きな資金を一度に投じることなく、手軽に資産運用を始められます。
- 堅実に運用したい方:情報をしっかりと確認し、リスクを賢く管理しながら利益を求める堅実な投資家に適しています。投資信託は、市況や世界情勢を考慮しながら安全性の高い運用を目指します。
- 冷静に対応できる方:投資信託では価格の変動に冷静に対処することが求められます。基準価額や純資産額が変動しても慌てずに戦略的な判断ができる方に向いています。
- 貯金を好む方:少額投資が可能なため、貯金を好む方にも適しています。出費を抑えつつ、着実に資産を増やしたいと考える方に向いているでしょう。
- 勉強を惜しまない方:投資信託に関する知識を身につけることが成功の鍵です。市場やファンドの環境について学び、適切なファンドを選ぶ意欲がある方に適しています。
一方で、ギャンブル好きな方、一気に稼ぎたい方、計画を立てずに投資を行う方は、投資信託に向いていない可能性があります。
まとめ
以上、投資信託についてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?1点注意点ですが、投資信託はプロに任せることができますが、だからと言って「自分は何も知らないから投資信託でプロに任せるんだ」という考えは危険です。ご自身でも投資について知識を身に付け、自分の運用方針を明確に持つ必要があります。
ぜひこの記事を参考に投資信託を理解を深めていただければ幸いです。
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