分析日:2026年10月27日(日本時間)
FedWatchの数値:2026年10月26日更新のOANDA掲載データ。リアルタイム値ではありません。
「今回のFOMCで、アメリカは再び利上げするのか?」
2026年10月27〜28日のFOMCを前に、金利の行方が気になる人も多いでしょう。ドル円やゴールドを取引する人だけでなく、NISAで米国株に投資している人にとっても、米国の金融政策は確認しておきたい材料です。
先に結論を示すと、今回の中心シナリオは政策金利の据え置きです。10月26日更新のCME FedWatch集計では、据え置き90.6%に対し、0.25ポイントの利上げは9.4%となっています。
ただし、据え置きが有力だからといって、発表後の相場が落ち着くとは限りません。注目したいのは、今回の決定と、年末までの金利見通しを分けて考えることです。
10月FOMCの結果発表は日本時間10月29日午前3時
FRBの公式日程によると、今回のFOMCは米国時間の10月27〜28日に開催されます。声明公表と議長会見の予定を日本時間に直すと、次のとおりです。
| 確認するイベント | 米国東部時間(夏時間) | 日本時間 |
|---|---|---|
| 政策金利・FOMC声明の公表 | 10月28日(水)午後2時 | 10月29日(木)午前3時 |
| FRB議長の記者会見 | 10月28日(水)午後2時30分 | 10月29日(木)午前3時30分 |
「10月28日のFOMC」という表記は米国の日付です。日本から確認する場合は、29日未明になる点に注意してください。
今回はまだ米国の夏時間です。 米国標準技術研究所(NIST)によると、2026年の夏時間は現地11月1日午前2時に終了します。したがって、今回の発表は日本時間午前3時です。冬時間になる12月会合では、米国東部時間午後2時が日本時間の翌日午前4時になります。
FedWatchの利上げ確率は9.4%、据え置きは90.6%
現在のフェデラルファンド金利の誘導目標レンジは3.75〜4.00%です。FRBは9月16日の会合で、0.25ポイント引き上げています。
OANDAが掲載する10月26日更新のCME FedWatchデータでは、10月会合終了時の金利予想は以下のとおりです。
| 政策判断 | 会合終了時の目標レンジ | 織り込み確率 |
|---|---|---|
| 0.25ポイント利下げ | 3.50〜3.75% | 0.0% |
| 据え置き | 3.75〜4.00% | 90.6% |
| 0.25ポイント利上げ | 4.00〜4.25% | 9.4% |
この数字から読み取れるのは、「市場は今回の追加利上げを中心シナリオにしていない」ということです。
FedWatchはFRBが発表した予測ではない
FedWatchは、CMEグループが提供する、市場の金利見通しを確認するためのツールです。30日物FF金利先物の価格などから、将来の政策金利の確率を推計します。
そのため、90.6%という数字は「FRBが据え置きを約束した」という意味ではありません。前提を置いて計算した市場の織り込みであり、先物価格が変われば確率も変わります。
また、表示上の0.0%も、将来の政策判断が絶対に起こらないことを保証する数字ではありません。
インフレが残るなかで、なぜ据え置きが有力なのか
ここからは、公表済みの経済指標を踏まえた当サイトの分析です。
今回の判断を考えるうえで、物価と雇用は違う方向の材料を示しています。
米労働統計局(BLS)によると、9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.7%上昇し、8月の3.4%から伸びが拡大しました。食品とエネルギーを除くコアCPIは同2.6%上昇しています。
一方、9月の非農業部門雇用者数は前月比2万9,000人増、失業率は4.2%でした。BLSは雇用者数と失業率について、いずれも大きな変化はなかったと説明しています。
物価上昇が続くなら、追加利上げを検討する理由になります。ただ、雇用の伸びが限られるなかで引き締めを重ねると、景気や雇用への影響も見極める必要があります。
さらに、9月に実施した利上げが経済に及ぼす効果を、次の会合ですべて確認できるわけではありません。
こうした材料を合わせると、今回は金利を維持しながら、その後のデータを待つという判断には理由があります。ただし、これは当サイトの解釈であり、今回のFRBの決定理由は声明や会見で確認する必要があります。
なお、FRBの2%の物価目標はPCE物価指数を基準とします。CPIの3.7%を、目標と同じ指標として直接比較することは避けましょう。
12月の77.8%は「その会合だけの利上げ確率」ではない
元の分析で確認したいもう一つの数字が、12月会合終了時の金利見通しです。
同じ10月26日更新の集計では、12月9日の会合終了時に4.00〜4.25%となる確率が70.7%、4.25〜4.50%となる確率が7.1%です。合計すると、現在より高い金利になっている確率は77.8%となります。
ここで気をつけたいのは、77.8%をそのまま「12月会合で利上げする確率」と呼ばないことです。
将来の会合終了時の金利分布には、それ以前の会合で金利が動く可能性も含まれます。12月の分布だけを見ても、10月と12月のどちらで利上げするかは切り分けられません。
記事の読み方としては、「10月は据え置きが優勢だが、年末までの追加引き締め観測は残っている」と整理するのが適切です。
ドル円・ゴールド・米国株はどう反応する?
以下は政策判断と市場予想の差を考えるためのシナリオです。値動きの方向を保証するものではありません。
| FOMCの内容 | 市場が受け取る可能性のある意味 | 注目したい反応 |
|---|---|---|
| 据え置き+追加利上げに積極的な説明 | 今回は見送っても、引き締めは続く | 米金利・ドルの上昇、金や株への下押し |
| 据え置き+追加利上げに慎重な説明 | 想定より引き締めが進まない可能性 | 米金利・ドルの低下、金や株への支援 |
| 予想に反して利上げ | 事前の織り込みを上回る引き締め | 金利・為替・株式の急変 |
ドル円は金利差だけで決まらない
米国の金利見通しが上がれば、ドルの金利面での魅力を支える場合があります。ただし、ドル円には日銀の政策や投資家のリスク回避なども影響します。
「据え置きだから円高」「利上げだから必ず円安」と一つの材料だけで判断せず、発表後の米国債利回りとドルの動きを確認したいところです。
ゴールドは米実質金利とドルの反応を確認
金は利息を生まないため、一般に実質金利の上昇は保有の機会費用を高めます。また、ドル高はドル建て金価格の重荷になる場合があります。
一方、地政学リスクや安全資産への需要が強ければ、金利上昇と金価格の上昇が同時に起きることもあります。今回も政策金利の結果だけで、ゴールドの売買方向を決めつけないことが大切です。
NISAで米国株を積み立てている人は?
NISAは非課税制度であり、値下がりを防ぐ仕組みではありません。金利見通しの変化によって、保有する株式や投資信託の価格が動くことはあります。
ただ、長期の積み立てと、FOMC直後の短期売買では判断する時間軸が違います。一度の発表だけで計画を変える前に、投資期間や資金の使い道、値下がりをどの程度受け入れられるかを確認しましょう。為替ヘッジのない米国株投信では、円相場も円換算の評価額に影響します。
発表後に確認したい3つのポイント
今回の中心シナリオは据え置きですが、結果の見出しだけでは判断材料が足りません。確認したいのは次の3点です。
- 声明の物価・雇用に関する評価
9月会合から、インフレへの警戒や雇用の見方がどう変わったか。 - 議長会見での追加利上げに対する姿勢
今回見送る理由と、その後の判断に必要な条件が示されるか。 - 市場の金利見通しが発表前後でどう変わったか
米国債利回りと、12月以降のFedWatchの分布を比較する。
声明の直後に動いた方向が、会見の後も続くとは限りません。発表と会見を分けて見ながら、事前の予想から何が変わったかを整理することが、今回のFOMCを読むポイントです。
※本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。確率と分析は記載した基準日時点のものであり、将来の政策判断や価格変動を保証しません。
出典
すべて2026年10月27日に確認。
- OANDA「FedWatch Toolとは」内の「FedWatchの表」 — CME FedWatch集計、2026年10月26日更新。取得時刻の記載は確認できず。
- FRB「2026年10月の公式カレンダー」
- FRB「2026年9月16日のFOMC声明」
- CME Group「FedWatchの算出方法」/CME FedWatch公式ツール
- BLS「2026年9月のCPI」
- BLS「2026年9月の雇用統計」
- FRB「物価の安定と2%のインフレ目標」
- NIST「夏時間のルール」

